クリスマスローズの原種であるニゲルは厳しい寒い冬のクリスマスの時期に花を咲かせるように、もともと肥料も要らないほどたくましい植物。
しかし、肥料を与えなくても開花しますが、肥料を施した方が花つきはグンとよくなります。とくに品種改良された鉢植えのクリスマスローズは栄養(肥料)が必要とされています。
美しい花を咲かせ、病害虫に強い元気な株を育てるためには、植物の栄養源である肥料が欠かせません。
ここでは、クリスマスローズの花がより美しく元気に育つための肥料と与え方をご紹介します。
クリスマスローズに肥料が必要な訳
植物が育つには水と養分が必要です。植物は昼間 葉から二酸化炭素を取り入れ、太陽の光エネルギーと根から吸収した水分を利用して光合成を行い炭水化物という養分を作ります。
同時に土から得た養分もエネルギーに変えていきます。
ところが家庭の庭や鉢植えなどの限られた土からでは必要な養分を十分に吸収することはできないため、これを肥料という形で与えるようにします。
特に必要なのが肥料の三要素といわれる窒素(N)、リンサン(P)、カリ(K)です。
※注意
窒素分の多い肥料をやりすぎると、株が軟弱に育ち病害虫への耐性が弱くなったり、葉の成長が旺盛になるため、花芽分化が遅れやすくなったりします。なので、6~9月中旬は、肥料を施さないようにし、置き肥として施した固形肥料も取り除きます。
肥料の種類
肥料を成分で大別すると 鶏糞や動植物からつくられた有機質肥料、石油や鉱石を原料に科学的につくられた化成肥料(無機質肥料)とに分かれます。
また それらの固形の肥料どうしの長所を生かす目的で組み合わされた配合肥料もあります。
効き方でわけると、速効性と緩効性の2種類があります。
速効性肥料は与えてすぐに効果が出るタイプで ハイポネックスなどの液体肥料に多くみられます。効果は長くは続かず短期間に何度か与えるようにします。
一方、緩効性肥料は、穏やかな効果が長時間続く長所があり、発酵済みの有機質肥料やほとんどの化成肥料(プロミックなど)がこのタイプです。
有機質肥料
発酵堆肥:落ち葉や枯れ草などを発酵させた代表的な天然肥料です。
発酵牛ふん:牛糞を発酵させた堆肥は土壌改良効果が抜群です。
化成肥料
マグァンプK:リン酸成分が豊富で元肥に施せば長期間効果が持続し、幅広い植物に効果があります。
フローラマックーB:長く効果が持続する元肥で、追肥の決定版といわれるほど。
プロミック:必要な栄養素をバランスよく配合しています。鉢土の上に置くだけで約2ケ月間、安定した効果が持続、粒材が崩れてきたら新しい粒材にとりかえます。
クリスマスローズ専用のプロミックも↓
ミラクルボール:まけばバランスよい効き目が持続し、あらゆる植物に使えます。
エードボールCa:植物が丈夫に育つカルシウムを配合した置くだけの固形肥料。
ハイポネックス原液:手軽で安全な水で薄めて使う液体肥料で、いろんな植物の花や緑を鮮やかに育てます。
植物のサプリ:薄めずさっとまくだけ。すぐに効きはじめ安定した効果が1~2ケ月持続。
ハイポネックスキュート:薄めずそのまま使える鉢花用の専用液です。
配合肥料
有機配合肥料:有機原料を主体に配合された肥料です。 成分のバランスが良く、野菜はおいしく花は美しく育てます。 さまざまな植物に使用できます。
活力剤
リキダス:活力液で、植物の生育に必要な養分の吸収を高めるコリン、フルボ酸、アミノ酸(何種類:プロリン、アラニン、等)、各種ミネラル(Ca、Fe、Mo、Mn、Mg、B)が配合されています。ハイポネックス原液と異なり、肥料(N、P、K)は、含んでいません。
肥料の与え方
肥料の与え方には「元肥(もとごえ)」と「追肥(ついひ)」があります。
月別の肥料についてはクリスマスローズ12ヶ月栽培ナビを参考にしてみてください。
元肥
植物を植え付ける時に与える肥料をいいます。基本的な栄養を土に与えるという意味をもち、ゆっくりと時間をかけて効果が持続する遅効性、緩効性の肥料を使います。
土に均一に混ぜ込む方法の他、植え付けたあとの土の表面に置く置き肥もあります。
この元肥は時間とともに植物に吸収され、水とともに鉢底から流れ出て、少しづつ減少していきます。
追肥
栽培途中に生育状況に応じて与える肥料で、その後の生育に必要な分を補う形で与えます。土の上に固形肥料を置き肥したり、液体肥料を与えたりします。
また花が咲いた後や収穫後(成長が一段落した時)に、植物の消耗を抑え来シーズンに向けての活力を養うために与えるのが「お礼肥」といいい、これも追肥の一種です。
水で薄めるタイプの液肥の計り方
ハイポネックスなどの液肥は、水で薄めて使いますが、使用料は正確に計りましょう。
●希釈倍率1000倍:液肥1ミリリットルを牛乳パック1本分(1リットル)の水で薄める
※ 【希釈計算アプリ】を使うと簡単に希釈できます。
(数字は必ず半角で入力してください)
いつも使うじょうろや水さしに、目安となる水量の印をつけておくと、手間も要らず薄める倍率がすぐにわかり便利です。
まとめ
寒さに震えながら春を待つ野山のクリスマスローズはもともと肥料も要らないほどたくましい植物ですが、肥料を施した方が花つきはグンとよくなります。
とくに品種改良された鉢植えのクリスマスローズは肥料(栄養)を与えた方がイイみたいですね。
肥料の種類は大きく2つで有機質肥料と化成肥料(無機質肥料)ですが、それぞれ特徴があります。効き方も速効性と緩効性があり、目的に合わせて上手に使い分けていくことをおススメします。
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