クリスマスローズはとても丈夫な植物なので、
害虫はほとんどありませんが、まれに病気が発生することがあります。
葉に斑点が出るもの、葉がよじれたり縮んでしまったりと色々です。
クリスマスローズのかかりやすい病気や害虫を知って適切に防除していきましょう。
病害虫対策の基本
クリスマスローズは良い環境で育てれば病気が出にくいとされていますが、悪条件の環境などで抵抗力がなくなった場合、まれに病気にかかる場合があります。
病害虫対策で重要なのは栽培環境を良くして健全な株づくりが基本です。環境さえ整えば簡単に病気にかかるわけはないので、あまり神経質にならずに育ててみてください。
以下の点に注意して、元気に育てておくと丈夫になり病気にもかからなくなるとされています。
土壌を加湿にしない
クリスマスローズの土壌は比較的乾燥気味に育てる方がいいとされています。
酸性土壌にしない
クリスマスローズは酸性土壌を嫌いますから水はけのよい用土に必ず有機石灰を加えて中和したものを使います。
鉢植えでは腐葉土や粗い鹿沼土や赤玉土、日向土(小粒)などを加えるのもいいです。
深植えにしない
深植えにすると、根っこに酸素が届きにくくなったり、芽が出にくくなったり、根腐れしやすくなり地中の茎が弱ってしまいます。
風通しをよくする
クリスマスローズの株と株の間をあけて風通しを良くしてあげます。成長して株元が混んできたら株分けをして、風が通りやすくしましょう。
梅雨時や秋の長雨に当てない
クリスマスローズは乾燥気味に育ててあげるようにする方がいいとされています。そのため、雨の日が続く梅雨の時期などは軒下など、雨の当たらない場所へ取り込み非難させてあげましょう。
夏の強い日差しを避ける
クリスマスローズは日本の高温多湿な夏に弱いので、午前中は日差しが当たり、午後は日陰になるような半日陰で育てます。
よしずやすだれを上手に使い、午後の日差しを遮る工夫をしましょう。
殺菌剤や殺虫剤の散布
冬の間は害虫はほとんど見かけませんが、春先になり気温が上がってくると様々な害虫が動き出します。定期的に殺菌剤や殺虫剤を散布しておくといいでしょう。
それでも病気になった場合は、それぞれの病気に対して適切な処置をすることが必要です。
クリスマスローズがかかりやすい病気
病原体の種類により、糸状菌(カビ)、細菌(バクテリア)、ウイルスに大別されます。
糸状菌の病気
灰色カビ病
葉の先端や縁に褐色~灰褐色の湿った病斑が生じます。根茎まで腐敗が進行し枯死することもあります。
2~12月のうち、夏場を除き10~20℃で多湿になると発生します。見つけしだい患部を切除し殺菌剤を散布します。
出典:病害虫・雑草の情報基地
うどん粉病
葉にうどん粉をまぶしたような白いカビが生えます。発生は4~11月で 空梅雨、初夏や初秋など、気温が25℃前後で、雨が少なく乾燥した環境で発生します。
高温期にはあまり発生しません。見つけ次第、患部を切除し、殺菌剤を散布します。
画像はバラに発生したうどんこ病ですが、クリスマスローズもこのようになります。
出典:http://www.micro5.net/2018/05/02/udonko
べと病
葉の表面に淡黄色の小さな斑点が現れ、進行すると不整形な大型の褐色病班となり、銀色~黒色を帯び光沢があります。葉の裏側も見て綿毛状のカビが生えていたら可能性が高いです。
4~10月のうち、気温が10~20℃で多湿になると発生しやすくなりますが、高温期にはあまり発生しません。見つけ次第患部を切除し、殺菌剤を散布します。
出典:病害虫・雑草の情報基地
細菌の病気
軟腐病
株の地際の根茎の部分が解けるように軟化して腐り、鼻を突くような悪臭を放ちます。5~10月のうち、気温が25~30℃で多湿になると発生し、水を媒体として傷口から感染します。
初夏から夏の間に、銅水和剤などを株元に散布して予防します。見つけしだい株ごと廃棄します。
出典:https://bibri.at.webry.info/201701/article_15.html
ウイルスの病気
ブラックデス
新芽・葉柄・花柄・花などに、コールタールのような黒い斑点やシミが生じ、葉や花が委縮して最終的には㈱全体が黒く縮れあがって枯れます。
春先の新葉が展開する3~4月と10月に多く発生し、古株や勢いのない株に多く発生します。アブラムシなどの吸汁性害虫によって感染するほか古葉切りなどを行うハサミによって汁液感染します。吸汁性害虫を防除することで感染を防ぎます。見つけしだい鉢ごと廃棄します。
出典:みんなの趣味の園芸
モザイク病
葉や花に 黄緑色や黄色、緑色の筋やまだら模様が生じます。株全体が委縮し、ねじ曲がったりして株の生育が阻害されます。
春先の新芽が展開する3~4月と10月に多く発病します。アブラムシなどの吸汁性害虫によって感染したり古葉とりのハサミからも感染するようです。見つけしだい鉢ごと廃棄します。
出典:みんなの趣味の園芸
クリスマスローズにつく害虫
害虫は吸汁性害虫(植物の汁を吸う害虫)とそしゃく性害虫(植物の花や葉などを食べるがいちゅう)に大別されます。
吸汁性害虫
アブラムシ
新芽や葉の裏などに寄生して汁液を吸い、芽が縮んだり葉が巻いたりします。またブラックデスなどのウイルス病を媒介するほか粘液状の排せつ物が葉の表面に付着して美観を損ね、すす病(糸状菌)を誘発します。
2月下旬~11月に、葉裏などに群生して寄生します。気温が20~25℃で晴天の日が続くと多く発生し、30℃以上になると発生しにくくなります。浸透移行性殺虫剤を散布して予防します。
出典:https://www.kagoen.co/christmasrose-sodatekata2
ハダニ
黄緑色や暗赤色で体長は0.5mm程度。葉裏に寄生して汁を吸うため、葉の表面に白い小斑点が生じます。多発するとかすり状に白く退色し光合性が阻害されます。
大量発生するとクモノ巣状の糸を吐き出して歩き回ります。気温が25℃以上で乾燥した環境を好み4月下旬~11月に発生します。葉裏に散水すると発生を軽減できます。見つけしだい殺ダニ剤を散布します。
出典:http://www.wakaizumi-farm.com/bilyouki-yobou-taisaku.html
そしゃくせい害虫
ハモグリバエの幼虫(エカキ虫)
エカキ虫とも呼ばれ体長は2~3mm。葉肉内をトンネル状に食害して進み、食害痕が曲がりくねった白い線を描きます。多発すると葉全体が枯れて植物の生育が悪くなります。すかしてみると幼虫の姿が確認できます。
4~11月に発生します。見つけしだい、白い線の先端にいる幼虫をつぶします。葉の広い範囲が食害されている場合は、見栄えが悪いので葉ごと切り取ります。
アオムシ
葉を食害するアオムシは、4~6月、9~10月に5,6回発生します。見つけしだい捕殺します。浸透移行性殺虫剤の散布が効果的です。
出典:みんなの趣味の園芸
ヨトウムシ
ヨトウガの幼虫で昼間は土中に隠れ、夜間に活動して葉を食害します。5~11月に発生しますが高温期にはあまり発生しません。
鉢を水につけ込むと、苦しがって這い出てくるので捕殺します。浸透移行性殺虫剤の散布が効果的です。
まとめ
クリスマスローズは比較的丈夫な植物とされ、良い環境で育てれば病気が出にくいといわれています。病気は夏場の高温多湿の時期に発生しやすいので、環境を整えてあげることが大切。害虫には早花を食害する虫と、植物の汁液を吸う虫がいますが、早期に発見して被害を最小に食い止めることが大切です。4~9月の新芽がある時期が発生しやすくなるので、株をこまめにチェックするといいでしょう。
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