5月は1年の中で最も日射量が多く、展開した新葉が若々しい薄緑色から深緑色に変わり、膨らんでいた子房は裂けて、タネがこぼれ落ちます。
地上部が病気を発生して枯れてしまうと翌年開花しなくなったりするので、株の状態をよく観察しましょう。
この時期に咲いた花は残さず切り取ります。
5月の作業
株元の整理
2月と同じで、古葉を切ったあと2ヶ月ほどで、残しておいた葉柄の基部は枯れて茶色になっているので取り除きます。
残しておくと、灰色かび病などが発生しやすくなるためなのですが、基部が枯れていれば、指で簡単に抜き取ることができます。
もし、半枯れ状態で指で抜き取ることができないなら、無理に引き抜かないで、さらに枯れるまで待って抜き取るようにします。
タネの採取・花柄切り
タネは成熟すると子房が裂けて 種はこぼれ落ちます。
袋かけをした場合は、袋の中にたまった種を採取し、ゴミや未熟なタネを取り除きましょう。
充実したタネは膨らんでいてシワがなく、反対に未熟なタネは撒いても発芽せず、カビが生える恐れがあるので取り除きます。
【適期は5月~6月上旬】
選んだ種は浅めの容器に入れた殺菌剤に1時間ほど浸して殺菌し、殺菌後はすぐにタネをまくか、タネを保湿して保管します。
タネを採取した花柄は、株元から3cmほど残して切り取ります。
※こちらは中級・上級者向けの作業です
タネまき
殺菌したタネは、タネまき用土(赤玉土小粒に くん炭を1割ほど加えたものなど)を使用し、
双葉が展開するまでタネの中に蓄えられた栄養分で育つため、肥料は不要です。
やりかた
4号鉢にタネまき用土を7割ほど入れ、水を散布して用土を湿らせます。
その上に採取したタネを1cmほどの間隔をあけて30粒ほどまき、
更にタネまき用土を1cmほどかぶせて、もう一度水を散布します。
タネまきがおわったら、軒下などの雨が当たらない明るい日蔭で管理します。
用土の表面が乾いたら水をたっぷり与えましょう。
初芽は翌年1月~2月で、初芽後2年で開花します。
※こちらは中級・上級者向けの作業です
タネの保管
殺菌したタネをまかないで保管する場合は、タネを少量のパーライトとともに茶こし袋に入れ、10月まで袋ごと鉢土の中に入れて保管します。
保管中は軒下などの雨が直接当たらない明るい日蔭で管理し、用土の表面が乾いたらたっぷり水をやり乾燥しないように管理します。
梅雨入り後は湿度が高くなるので、水を与えすぎるとタネが腐るので注意が必要です。
※こちらは中級・上級者向けの作業です
5月の管理 鉢植え
置き場
4月と同じく、新葉が茂って展開してくるため、風通しが悪くなりがちになります。
梅雨明けまでは日に当てるようにし、西日の当たらない場所で管理します。
水やり
4月と同じく、新葉が旺盛に展開するため、用土が乾きやすくなります。
目安は2日に1回。晴れた日の午前中に、鉢底からあふれるように、たっぷりと水をやります。
葉の上からかけるのでなく、葉をかきわけて用土に直接水を与えます。
気温が上昇するこの時期の急な水切れには注意が必要です。とくに根がパンパンに張ってる場合、鉢の中に水が余りない状態なので、水切れしやすくなります。
肥料
リン酸分の多い液体肥料(ハイポネックス)などを10日に1回、規定倍率で水代わりにやります。
雨の日を避けて晴れた日の午前中に施します。
4月上旬に置き肥をしてない場合でも、暖効性化成肥料は施しません。
病害虫の防除
この時期は、灰色カビ病・うどんこ病・べと病・軟腐病・アブラムシ・ハダニ・アオムシ・ハナグリバエの幼虫・ヨトウムシなどが発生します。
灰色カビ病・うどんこ病・べと病は見つけ次第 患部を切り取り殺菌剤を散布して、風通しの良い場所で管理し、軟腐病は鉢事処分します。
アブラムシは殺虫剤でハダニは殺ダニ剤で、見つけ次第防除します。
葉を食害するアオムシ・ハナグリバエの幼虫・ヨトウムシは見つけ次第、捕殺します。
詳しくはクリスマスローズの病気と害虫を参考に。
5月の管理 庭植え
水やり
要りませんが、雨が当たらない場所には必要に応じて水を与えます。
肥料
要りません。
苗の管理
5号未満の苗
西日の当たらない風通しのよい場所で管理します。
3月に移植した3号ポット苗は、本葉が傷むと、成長が遅れ枯れ死する場合があるので
リン酸分の多い液体肥料(ハイポネックス)などを10日に1回 規定倍率で施します。
まとめ
クリスマスローズは宿根草のため、毎年成長し見ごたえを増していきます。
5月は基本的に、株元の整理だけですが、中級・上級者の場合は、タネを採取してまいたり、保管したりする作業に挑戦してみてください。
鉢植えの場合は根詰まりを起こしやすいので2~3年に1回は、4~5月の成長期に、ふたまわりほど大きい鉢に植え替えをする必要があります。
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