11月になると気温がさらに下がり、雨も少なくなるので乾燥した気候になります。
しかし、春先に展開した古葉は横に倒れ、すでに蕾が確認できるなど、
愛好家にとっては、いよいよ開花が目に見えるような期待感にワクワクすることでしょう。
11月の手入れと管理を解説します。
11月の作業
11月下旬~12月は、開花株や開花見込み株の傷んだ古葉を切り取る作業をします。
この時期にも季節外れの花が咲く場合がありますが、開花期でない時期の花は形が崩れてたり、いつものクリスマスローズの花色と違ってたりします。
季節外れに咲く花は、株の消耗を招くので、すぐに切り取りましょう。
この時期は古葉の付け根にある花芽が膨らんでくるとともに、古葉の葉柄が倒れます。葉柄が倒れたら葉柄の基部を3cmほど残して切り取ります。
ハサミは1株ごとに殺菌するようにすることで、病気の発生を抑制できるほか、株元に陽が良く当たり、開花が早まります。
11月の管理 鉢植え
置き場
株元に陽をあてるために、寒風や当たる場所やエアコン室外機のそばには置かないようにします。
あまりに日当たりが悪いと、花つきが悪くなったり開花が遅れたりします。
水やり
これからの季節、用土は徐々に乾きにくくなりますから、2週間に一度くらい、用土が乾いたら鉢底から流れ出るまでに水をたっぷり与えます。
晴れた日の午前10時ころまでには行いましょう。その際、水やりを葉の上からやらず、葉の下の用土に直接与えると、用土に十分水分が浸透します。
肥料
リン酸分の多い液体肥料(N-P-K=5-10-5など)を10日に1回、規定倍率で水やり代わりに施します。リン酸分の多い肥料をやることで花つきと花色がよくなります。
水やりと一緒で晴れた日の午前中(10時頃まで)に、用土全体にいきわたるように鉢底から流れ出るまで施します。
10月上旬に置き肥をしてない場合は、11月上旬に施します。2ケ月ほど効力が続く、リン酸分の多い暖効性化成肥料を施しましょう。
暖効期間が2ケ月ほどあるプロミックがおススメです。
置き肥は直接株元に置かず、株から離し、鉢の縁に沿って置きます。
病害虫の防除
この季節にクリスマスローズがかかる病気は、
灰色カビ病、うどんこ病、アブラムシ、ハダニ、ハモグリバエの幼虫(エカキムシ)、ヨトウムシ です。
病気の詳細と防除法は当サイトのクリスマスローズの病気と害虫を参考にしてください。
11月の管理 庭植え
水やり
要りません。
ただし、軒下など雨が当たらない場所では、必要に応じて水やりします。
肥料
要りません。
ただし、10月上旬に置き肥を施してない場合はリン酸分の多い暖効性化成肥料のプロミック(N-P-K=8-12-10)を株の周囲に施します。
11月の管理 苗
まいたタネ
5月と10月にまいたタネは、軒下など雨が直接当たらないような明るい日陰で管理します。
用土の表面が乾いたら水をたっぷり与えます。11月下旬頃になると、地中で発根が始まるので用土を乾燥させないように注意しましょう。
糸状菌による病気の予防に、月に1回 殺菌剤を散布するとよいようです。
5号未満の苗
風通しの良い日向で管理します。リン酸分の多い液体肥料(N-P-K=5-10-5など)を10日に1回、既定の倍率で水やり代わりに施します。
まとめ
この季節になると気温は10度台まで下がり、徐々に冬が近づいてきたなと感じます。
古葉とりを行うことで風通しが良くなり、株元にも陽が当たり花芽の立ち上がりも早くなります。
やがて古葉の付け根の花芽がぷくっと膨らんでくると、
いよいよクリスマスローズと出会える日も近くなり、作業もますます楽しく感じます。
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